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空ヤ畑ノコトバカリ

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ミズキだんごの記憶

急に作りたくなったミズキだんご。
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ミズキの木の枝に、色をつけたた団子を刺して飾る風習。
1月中に作るのが普通だけど、思いついたのが遅くて、立春の前の日になっちゃった。
なぜこの飾りを作るのか、昔聞いたけど覚えてない。
何か調べればきっと、わかるかな。

実家の食器棚には食紅(しょくべに=人工着色料)があって、団子を着色するのに使ってた。
うちも、義母さんに聞けば出てくるかもしれないけど、今は、人工のは使いたくない。
ほうれん草とニンジンを茹でてすり鉢ですりつぶしたら、きれいな緑とオレンヂができた。
耕作放棄地に生えたミズキの枝を使って、小さいサイズのミズキだんご、完成。
約10年ぶりに作った。

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約10年前の、ミズキだんごの記憶。
その集会場は、冬休みの行事で集まった小学生と親でにぎやかだった。
ミズキだんごを作る会。
企画した役員さんは、ミズキの大きな枝やだんごの粉の準備をがんばってた。
簡単な説明のあと、赤、緑、黄色のだんごの色ごとに班分けして、作業開始。
だんご作りの先生はいないけど、なんとかなると思った。

でも、作業を始めてすぐに、これは大変なことになってるかも、って思った。

耳たぶの硬さが生地の目安なのに、水を入れすぎて、とろとろにしてしまった班。
人工着色料の入れすぎで、毒々しい色に染まった生地。
真ん丸にならず、いびつな形のだんご。
茹でたあと、キッチンペーパーで水気を取っているだんご。
各班に配られている片栗粉の使い途が、誰もわからない。

これ、子供だけではなく、親たちがついているのにこの状態。
えらいこっちゃ。
役員でない自分が意見すると面倒になるから、大変だけど黙ってた。

最終的に、ミズキだんごはできた。
なんとかなった。
片栗粉をまぶしていない団子は、いびつだけど色鮮やかで、とってもきれいだった。

集会場の玄関先に飾って、行事は終わって、解散した。
残った役員さん達の話し声が後ろから聞こえた。
「お疲れさまでしたー」
「これ、いつまでも飾ったままでいいかなあ」
「それなら、次の燃えるゴミの日に出しとくから大丈夫」

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さらにさかのぼって、自分が幼かった頃の記憶。

ストーブのやかんから蒸気が上がっている。
まだ元気なじいちゃんが、団子を丸めている。
まねして作ろうとして、手やどんぶく(綿入れはんてん)が粉だらけになる自分。
出来上がって、柱に結わえ付けた大きなミズキの枝。
色とりどりの団子。

数日?数週間?しばらく経って、ストーブの上で焼いている固くなった団子。
味がなくて、美味しくないなあと思いながら食べた団子。

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当たり前だと思っていたミズキだんごが、当たり前じゃないと分かった、約10年前。
えらいこっちゃ。
うちの子たち、甥っ子たち、近所の子たち。
伝えていかなきゃと思った。

・・・・・なーんて思ったのに、今日のミズキだんごは10年ぶり。
こういうのって、手間がかかる。
いろいろ考えた、ミズキだんご作りの日。

by sensuke001 | 2016-02-03 22:53 | あの頃